Thule Magazine vol.22
2018 ミス・ユニバース・ジャパン・大分グランプリ/
バギーランナー西窪 舞Mai Nishikubo
幼少期からアルペンスキーなどさまざまなスポーツに親しむ。趣味でSNSにアップしていた朝ラン動画が注目され、スポーツブランドのアンバサダーに。プロトライアルライダー・西窪友海さんと結婚し、1歳の娘を持つ母となる。海外と日本を行き来しながら、バギーランの普及と楽しさを伝える活動を行う。
簡単に生い立ちを教えてください
-大阪生まれで、京都と大阪で育ちました。小学校時代はとにかくドッチボールが楽しくて、超アクティブ。外が大好きで、走り回っていましたね。バレエや水泳も習っていました。一番熱中していたのは、2、3歳から始めたスキーです。毎週末、大阪や京都から5〜6時間かけて父と一緒に雪山に通い、日帰りで帰ってくるというのを繰り返していました。当時はアルペンスキーのオリンピック選手になろうと思っていたので、小学校5、6年から中学生にかけては、北海道のアルペンのチームに入るほど。冬の間は北海道で地元の方の家に住まわせてもらい、雪のない季節はスキーのためにできる競技は何かと考え、陸上部に入って走り込みや高跳びをしていました。
超アクティブですね
-高校は大阪桐蔭に進み、チアリーディング部で副キャプテンをしていました。大阪桐蔭は野球やサッカーが有名ですけれど、チアリーディング部はその応援という感じ。いわゆるアクロバティックな動きをするタイプのチアリーディングではありませんでした。「しっかり勉強をしなさい」というタイプの親だったので、部活と勉強のどちらも頑張って、大学に進学しました。国際学生が半数を占める大学に入り、海外の人との交流も初めて経験しました。将来は日本にいるよりは世界を飛び回れるような人生にできたらいいなと、次第にグローバルな思考になっていったように思います。
私は思い立ったらすぐに動きたくなる性格で、大学3年のときに休学して、海外でヨガのインストラクターの資格を取りたいって思っていたんですね。ところがそのタイミングでちょうどコロナ禍になり、海外にはいけなくなってしまって・・・・・・。どうしようと思っていたんですけれど、それならば東京で出会いを求めたほうがいいと思って、大学を辞め、東京に出てきてしまいました。親には「ごめん」って言って(笑)。「卒業だけはして」と言われていたんですけれどね。東京で仕事が見つかって、YouTube制作や編集を扱っている会社で働いているときに、あるスポーツブランドから「アンバサダーになりませんか」というお声がけをいただきまして。
それはかなり急展開です
-じつは、大学在学中の2018年に、母の勧めで応募したミス・ユニバース・ジャパンの大分大会のグランプリになりました。それがきっかけで福岡マラソンのゲストランナーによんでいただいく機会があり、「走らな」って感じで走り始めたんです。陸上部時代はそんなに走るのが好きとはいえませんでしたが、走るのがとても好きになって。海外に行ったときに朝ランをしたり、東京に出てきてからもランニングのイベントに行ってみたりだとか、自分で動画をとってSNSにあげてみたりというのをしていたんですね。それを目にしたブランドの方から、お声がけいただいてアンバサダーになったという経緯です。
ラッキーガール! 走ることの楽しさって?
-メンタルも体も走るだけで調子が良くなる、健康になれるというのがすごく好きですね。場所を選ばず、とりあえず着替えさえすればどこでも走れるし、滞在先でも自宅にても道さえあればできるというのもいいし、走っても歩いてもダッシュしてもジョグでもいいわけで、その日のその瞬間の気分でアレンジでき、誰にでもできるところが気に入っています。出産後の今は、娘をバギーに乗せて毎日のように走っています。
夫であるプロトライアルライダー・西窪友海さんとの出会いは?
-東京に出てきて1年ほど経った頃、こちらもランニングをきっかけに出会いました。当時よくしていただいた方が、仲間でランニングをする月1回開催の会によんでくださって、そこに彼も来ていたのが最初です。‘22年に出会って5ヶ月で結婚を決めて、娘が生まれて、今はドタバタの毎日(笑)。この2年くらいは怒涛のようですよね。
たくましいし、しなやかな生き方だと感じます
-すごく挑戦に挑戦を重ねているような毎日ですね。旦那が海外遠征に行くときは家族で一緒にいくのですが、毎回新しい経験ができるからものすごく刺激的で、こういう生活がしたかったんだな、夢が叶ったという感じです。1度行くと2〜3週間くらいは現地にいるのですが、旦那はショーに出るほか、撮影をすることが多いです。私は撮影を手伝ったりしながら、時間を見つけて観光したり。大変やけど、充実した経験ができていますね。「子連れで旅行って大変だね」って言われるけれど、それをいい感じにクリアして帰ってきた時の達成感、充実感は何ものにも代え難いし、子どもが増えたとしても行き続けたいなと思っています。
子連れかつ長期での海外滞在、荷物も多そうです。
-パッキングのコツは2つあって、1つはミルクやおむつといったかさ張る消耗品は、最初の3〜4日分を持っていくだけにして現地調達する。もう1つは、THULEのオーガナイザー・圧縮パッキングキューブに靴下も下着も服も入れられるだけ入れて、とにかく圧縮して整理します。Sサイズには細々した下着や靴下を、大きいものにはアウターやフリースを。何個あってもいいという感じで、合計6〜7個は持っているかな。少し透けているから中に何が入っているかすぐ見えるのも便利です。Sサイズは普段から愛用していて、オムツを何枚かと娘の着替えを入れ、常に持ち歩いています。
スーツケースもTHULEを使っていて、一番大きなソフトラゲージに娘と私の荷物を入れ、Thule Paramountのクロスボディを斜めがけにし、バックパックを背負いという感じです。どれも丈夫でシンプルでかっこいい。持っていくベビーカーもTHULEだし、西窪家の旅行はTHULEなしでは成り立ちません(笑)
Thule Paramountの使い心地は?
-Thule Paramountのシリーズが好きで、ポシェット型のクロスバックとバックパックの2個持ちをしていいます。自分の荷物と子どもの荷物を分けられるというのがというのが2個持ちしている理由です。クロスバックには、自分の荷物を。貴重品とリップとワセリンは必ず入れていますね。ワセリンはリップ代わりにもなるし、子どものカサカサに塗れるのでいつも持ち歩いています。ベビーカーや大きな荷物をどこかに置いて、子どもと散歩に行くこともあるので、貴重品をクロスバックに入れておけば安心かなと。中のポケットが充実しているので、海外に行くときは、クレジットカードやお札を直接入れてお財布代わりに使うこともあります。海外でも、日本にいるときと変わらないスタイルで歩いていますね。
バックパックは、左サイドがガバッと開くので底まで見えて、モノがすごく取り出しやすいんです。上からしか開けられなかったら、荷物を掘り返さなくちゃいけないけれど(笑)、娘のお世話をしながらでも必要なものをすぐに見つけられるので、とても助かっています。いろんなところからアクセスできるので、ミルクやおむつも焦らずにすぐ取り出せますから。
ポケットもいっぱいあって、ここにはサングラス、ここに鍵と場所を決めておけるのも便利ですね。PC用ポケットだけでなく、サングラスを入れるスペースにもパッドが入っていてクッション性があるのもすごく便利です。サングラスをケースに入れる必要性がないので、そのまま直に入れてしまっています。面倒くさがりやとしてはありがたい(笑)。PCを持ち歩かない日は、PC用ポケットに娘の絵本を入れています。右サイドのポケットは独立しているので、クロスバックに入りきらない自分の荷物を入れることが多いです。考え抜かれたポケットがいっぱいついていて、本当に使いやすいですね。
トップについている開閉式のフラップも気が利いていますよね。荷物の量に合わせてアジャストできるんですけれど、内側に入れ込むような固定の仕方なので、防犯上も安心。背負っていて、気づかないうちにファスナーを開けられて中身を抜き取られるみたいなことはおこらなそうです。海外に滞在することも多いし、娘のお世話しながら大荷物となると、そこまで気が回らなくて大変ですけれど、背後を気にしなくていいというのは、やっぱり安心感があります。
思い描いていた、海外と行き来する生活が叶ったわけですが、結婚や出産を経て、考え方や価値観に変化はありましたか?
-あまり変わらないかもしれない。結婚前から、海外のいろんなところで朝ランをして巡りたいなと思っていたのもありますし、母が以前、料理教室をしていたので、料理はずっと好きだし、自分自身がスポーツをしてきたのでアスリートフードマイスターの資格も取っていました。食事やメンテナンスで誰かをサポートできたらいいなというのもずっと思っていたことなので、本当にきれいに夢が叶いましたね。
日本って、「子どもがいると難しい」とか、“できないこと”に繋がることが多いと思うんですけれど、子どもがいるからこそできることってめちゃくちゃあるって思っています。私は幸運にもそこにフォーカスを当てられた。たとえば、今楽しんで続けているバギーランも、子どもがいなかったら開けなかった世界ですし、海外遠征だってただの旅行になっていたかもしれない。ベビーカー押して歩いたり走ったりすることで、街の作りを意識したり、子育てしやすい街だなとかフレンドリーな街だなと気づけることも多いです。
バギーランのイベントも開催されていますね。
―妊娠中に海外のSNSでバギーに赤ちゃんを乗せて走っているお母さんたちを見つけまして。「アクティブな妊婦でいたい」と思っていた私は、バギーランというものがあるんや、やってみたい!と。そんなときに、THULEにバギーラン用のベビーカーがあるのを知りました。「バギーランって危険なんじゃない?」「走る場所なんてある?」と思われる人もいると思うんですけれど、押しているときにずっと走っているわけじゃないですし、ブレーキもきくし、ある程度周囲を見てスピードさえ気をつければ大丈夫。日本は海外に比べたら広いところは走れないし、信号で止まったりもしますけれど、それでも十分楽しく走れますよ。朝に3キロくらいお散歩気分でのんびり走ったり、海の方まで行って往復10キロくらいになる時も。海の近くは広くて走りやすいですし、開放感があって娘も楽しそうです。
イベントを始めたのは、仲間が増えて一緒に楽しく走れたらいいなというのと、日本では全然知られてないからみんなにも楽しさを知ってほしい、もっとバギーランを広めたいなという気持ちからです。お父さんが休日にひとりで走り行くっていうのは気が引けると思うけれど、子どもと一緒にバギーで走るなら奥さんだって快く送り出してくれると思うし、お母さんって出産後は運動不足になりがちですけど、バギーランなら運動しながら子どもと一緒に遊べるし、子どもだって気分転換になる。いいことしかない(笑)。まだまだイベントの参加人数多いとはいえませんが、はじめてランバギーを押したという方が多くて定期開催の要望も多いので、とても嬉しい。続けていきたいなと思っています。
今後の展望は?
―一つはバギーランを日本で普及させたいということです。日本って家がそんなに広いわけじゃないので、街乗り用の普通のベビーカーとランバギーの2つを玄関にキープして置くのって難しい方も多いと思うんです。バギーラン・ステーションのような、その場所に行ったら借りられて、ランバギーが楽しめる拠点がいろいろな場所にできればいいなと思っていて・・・・・・。アンバサダーをしているOnのストア・オン トーキョーにTHULEのランバギーを置いてもらえることになったので、その活動を広げていきたいですね。もう1つはプロのアスリートとして仕事をしている旦那の現役生活がより実りあるものになるように、もっともっとサポートして行きたいなと。
子育てをしていると色々起こるし、旦那が怪我したらどうしようと不安になったり、出産前に一緒に仕事していた人が頑張っていてステージが上がっていたりだとか、一緒に走っていたランナーがめっちゃ早くなっていたりとかして自分が置いていかれているような気分になったりもしちゃうんですけれど、「未来を煩わない」というのを肝に銘じて、焦るな焦るなという感じですね。一人になるといろいろと考えちゃうけれど、生産性もないですから。今ココだけを見つめて家族と一緒に歩んでいきたいです。