image

Thule Magazine vol.9 ムーブメントコーチ / パルクールパフォーマー鈴木 正信Masanobu Suzuki

日本を代表するムーブメントコーチ、そしてアジア圏トップのプロパルクールチーム「monsterpk」所属のパルクール・コーチ。『身体操作の達人』としてパルクール、カポエラ、武術、ブレイキンなど様々な動きに精通した動きを融合する事により独自のユニークなスタイルを築き上げた日本で唯一無二のコーチ・アスリート。CMやMV出演をはじめ、日本全国や世界中でのワークショップ開催、様々のジャンルのトップ・プロへのパーソナルトレーニングなど活動は多岐に渡る。

フォトグラファー / ビデオグラファーアレクサンドラ・リーAlexandra Lee

日本に拠点に置くマレーシア出身のフォトグラファー兼ビデオグラファー。大学で放送学科を専攻。本格的にメディア関係の知識を学んだ後、青山学院大学に交換留学をする事をきっかけに日本に渡る。日本に移住して以降、ドキュメンタリー、コマーシャルやミュージックビデオなどの映像や写真などを通して日本特有の文化を世界に発信する事を目的に、独自の感性を武器に株式会社トーキョークリエイティブでメディア・コンテンツ・クリエーターとして所属しながらフリーランスのクリエーターとしても様々な活動を行う。

image

被写体とカメラマン。
クリエイターとして
共に輝く夫婦でありたい

image

最初のミーティングの時に惹かれた

まずはじめにお二人のお仕事を教えてください

マサ:プロのパルクールコーチ兼アスリート兼ムーブメントコーチをしています。他には施設コーディネートや、パルクールスタッフのコーチングコーチ。パフォーマンス、格闘家、ラグビー、アメフト、K1などで活躍しているアスリートのトレーニングなども担当しています。
アレックス:私はビデオグラファー兼カメラマンをしています。企業のCM制作や企業紹介ビデオの制作、企業・地域・行政と結びついた地域活性化のビデオ制作などを担当しながら、個人的にも映像の制作を行っています。

クリエイターとして活躍されるお二人ですが、出会いのきっかけは

マサ:アレックスが日本でアクション系のエキサイティングなムービーが撮りたいという思いがあって、共通の知人がパルクールを東京でやっている僕を繋げてくれたことがきっかけです。その時にアレックスとミーティングをしたのが最初の出会いですね。
初めて会ったミーティングでは、純粋に「かっこいいパルクールのビデオを撮りたいね」なんてラフな感じでディスカッションをしました。その日のアレックスの印象は純粋にパルクールのかっこいい映像を撮りたいという強いパッションを感じたんです。
そんなビジネスミーティングだったのですが、それ以上にアレックスに会った瞬間から衝撃的な可愛いさに一目惚れしてしまったんです。(笑)
もちろん人間性も魅力的で。その会った日の別れのタイミングで「今日はビジネスミーティングだったけど、次はアレックスの人間性をもっと知りたいからデートしたい」と伝えました。

image
image

先人に影響され出会ったパルクールと、怪我の功名で出会ったムーブメント

マサさんがムーブメントやパルクールを始めたきっかけは

マサ:パルクールは2004年くらいのテレビ番組「世界まる見え」の“Jump London”というドキュメンタリーで、パルクール創始者の方々の動画が流れて、単純に「かっこいいじゃん!」というインパクトを受けたのと、ちょうど同じ時期にお姉ちゃんが器械体操でバク宙をやっていたこともあって、かっこいいなって。そこから「パルクールやりたい!」と全て見様見真似でとにかく全力で始めたことがきっかけです。

当時はまだパルクールをやっていた人も少なかったと思いますが、周りからの反応は

マサ:学校でパルクールをやり始めてから、みんな僕を「なにジャンプしたり、壁登ったりしているの?変なことをやってるの?」っていう目で見始めて、友達が急にいなくなっていじめられましたね。それまでは友達も多くて平穏な日々だったのですが…。友達がいなくなっても僕はパルクールが好きだからやめなかったし、気にならなかった。そうして続けているうちに逆にクラスメイトがだんだん注目してきて、むしろ「すげーじゃん!」となって、パルクール見せてよと言われるようになったんです。周りが盛り上がったことがパフォーマーになりたいという思いが芽生えたきっかけです。
そこから1日8時間とかパルクールをやって、勉強かパルクールしかやっていない毎日でした。

ムーブメントを始めたのはアキレス腱を切ってしまった経験からでした。医師や理学療法士の先生に「怪我前の元の体の動きをすることは難しいから、キャリアチェンジを考えた方がいい」と言われたんです。ですが、ダンスに対しても、パルクールに対しても辞めることは絶対嫌だった。
その時に入っていたダンスカンパニーの同僚に「ムーヴメントっていうのがあるんだよ!」と教えてもらいました。アキレス腱が切れたままムーブメントのワークショップを受けていたら、今のムーヴメントの師匠でもある人が僕を見つけてくれて、今のメンターになってくれました。
それから怪我もよくなってきて、アキレス腱を切った2015年から5年経った今もパルクールをコーチとしても現役パフォーマーとしてもやれています。本来だったら選手生命としてはアウトだったのですが、ムーブメントに出会ったおかげでパルクールを続けられているんです。

image
imageimage

タフネスと探究、自分の可能性を広げてくれる魅力がある

マサさんが思うパルクールとムーブメントの魅力とは

マサ:パルクールは「極限までのタフネス」だと思います。僕はタフな人間であることやタフな生き方に魅力を感じるんです。どんなチャレンジも障害も、嫌なことも良いことも、全て乗り越えるだけの強靭な肉体と精神力。それに合わせていろんな角度から物事を考える想像力が加わってきてクリエイティブな創造ができる。ルールに囚われずオリジナルの視点と強い柔軟性で物事を考えて進められる、これがパルクールの魅力です。

ムーブメントは無限の可能性があります。世の中の事から自分自身の事まで、終わりなき探究が続くもので、どこが始まりか終わりかではなく全てが繋がっているという考え方なんです。例えばどこかに座って何かを飲む時の行為も極めようと思えば極められるんです。哲学的なこと、物理学的なこと、解剖学的なことが全て入り組んでいて、全てのスポーツの文化が入っているので、どの競技の要素とも喧嘩しない。例えば格闘技やバレエ、パルクール、ラグビーなどがムーブメントという一つの接着剤を介して一緒になって遊べる。自分の文化の中だけで生きていると、違う文化の人には出会えないけれどムーブメントで違う文化の人と出会える。パルクールだけしかやっていなかったら「パルクールの人」になって、人間的成長もそこで終わっていたと思う。格闘家やダンス、ボルダリング、野球などのことも知らなかったし楽しいとも思わなかったと思う。ムーブメントと出会ったから仲間が増えて、自分の可能性が広がって、人間的な成長に繋がりました。これがムーブメントをやってよかったと思うことです。

二度と戻れない瞬間を切り取りたい

アレックスさんが写真や映像を始めたきっかけは

アレックス:写真や映像を撮りたいと思ったきっかけは、5年前に留学生として訪れた日本でした。
日本の良いカルチャーは一年の間に四季があることや、アニメが面白かったり、可愛い物がたくさんあること。悪いカルチャーでアンダーグラウンドなものもあるけれど、良いカルチャーも悪いカルチャーも含めて日本の様々なカルチャーを母国マレーシアのみんなに伝えたいと思ったことがきっかけです。
大学時代に日本に留学した頃は回転寿司のような日本独自の文化を趣味程度で撮影していて、マレーシアに帰った時に見てもらうと好評でした。そうして何度か映像や写真を撮ったりするうちにそれを仕事にしたいなと思い、独学でカメラを始めました。

image
image

アレックスさんにとっての写真や映像の魅力とは

アレックス:写真も映像も同じなのですが、写真はフレームの中に美しい一瞬を捉えられる。その一瞬はその場、その時間にしか出会えないので、二度と戻れない。その瞬間を捉えて世界に表現できる魅力があります。
映像は写っている人のパッション、表情、感情だったり、この人は何を大事にしているかということを世界に発信できる。心の中に秘めている物を映像を通して表現できるんです。
以前、フリーバスケットボール選手の映像を撮影した時があったのですが、バスケットボールに対して彼ら一人一人の大事にしている物が映像を通して、私を通して世界に見せることができた実感がありました。
ドキュメンタリーもそうですがその人、一人一人が大事にしていることが伝わりやすい一つの手段として映像というのはとても魅力的だと思っています。

未来を作る“指導者”という仕事が社会で認められるようにしたい

マサさんの仕事のモチベーションは

マサ:パルクールもムーブメントも同じ理由で、日本での指導者の価値をあげたいと思っています。日本は指導者の評価価値が低い。指導者は文化や未来を作っているはずなのですが、指導者自身もマンネリ化していると感じています。学校の先生や僕がやっているプロのトレーナー、パルクールコーチもそうだと思うのですが、指導者一人一人が成長について真摯でモチベーションが高い文化を作りたいし、社会から見た指導者の社会的地位や価値を高くしていきたい。なぜなら指導者がトップレベルだったら、教え子もトップレベルになれると思うからです。
子どもはこの先の社会や文化を築いていく。その指導者という仕事はとても重要なポジションです。国とか社会とか文化の未来を作る仕事。唯一無二の仕事だと思っています。指導者の価値をあげることで必然的に社会や文化、未来のクオリティーも上がるので、これは僕がパルクールやムーブメントを通してやっていきたいことの一つです。
指導者みんながもっとリスペクトされるように、そして指導者全員が未来を作るんだという意識を持って、少しずつ社会からの指導者の見え方も変わっていくと嬉しいですね。

image
imageimage

真剣な対話も成長のため。チームとして高めあえる存在に

お互いに尊敬している点は

アレックス:マサくんは一つ一つのプロジェクトに物凄いパワーで向かっているので、私自身もモチベーションをもらっています。0か100かだとしたら100を取りに行くような強さ。「失敗したら0だから死ぬ気でいく」そんな姿勢をリスペクトしています。
マサ:僕とアレックスはチームなんです。写真・映像をやっている人と被写体。毎回かなり真剣にコミュニケーションをとっているんです。喧嘩じゃなくて、コミュニケーションの取り合い。側から見たら口論みたいな。(笑)ポジティブなフィードバックもあればネガティブなフィードバッグもあるし、お互いがお互いの成長に対してすごく本気。
だからアレックスが僕に対してこれよかったね、とか、これもっとこうした方が良いんじゃない?とかこれまずいよ、とか躊躇なしに言ってくれるので、僕もアレックスにはこの映像は正直微妙だな、とか、逆にこれめちゃくちゃいいじゃんとか、とにかく正直にコミュニケーションをとるんです。それは仕事以外でも同じ。一緒に住んでいながらそれぞれが個別で成長するのではなくて、二人でチームとして、パートナーとして成長しているような感じですね。

僕から見るとアレックスは本当のプロ。職人的で、常に自分の仕事に対して細かなことも妥協せず研究しているし、高みを目指している。例えば「この作品が撮りたいから、この映像の質感を出すにはこの機材が必要。機材を買うためにはこれとこの仕事をしてお金をもらう」ということまで考えている。仕事に対しての強い想いもそうですし、自分の成長ややりたいことに対して本気だし、ひとつひとつの仕事に対してものすごいこだわりを持っているんです。アレックスじゃないと見えない世界があって、僕が気づかない、見えないようなアングルをアレックスは映像制作を通して教えてくれます。
嫌なこともはっきりズバズバいうし、こんなコミュニケーションをはっきりとるパートナーは初めて。女性でこんな柔軟性を持って自分の意見をはっきりいう人は珍しくて、僕は尊敬しています。

語り尽くせないほどのTHULEの魅力

お二人にとってのTHULEの魅力は

アレックス:一つ目はコンパクトなんだけど、たくさん物が入るところですね。
マサ:僕も同じ意見です。シルエットがスリムでセクシー。収容場所がたくさんあるので、お洒落なのにものがちゃんとたくさん入る。そういうバッグって見た目がバルキーなものが多いんですが、THULEは違う。
アレックス:私はカメラマンなので、かっこよさにこだわっているんです。ブランドもバッグのシルエットもかっこいいので、THULEを背負っているときは「私かっこいいでしょ」と誇りに思っています。さらに私が使っているモデルはバッグの中にカメラ用の収納もあるし、SDカードをいれるポケットもある。コンパートメントの種類が充実しているので、クライアントの要望に合わせてすぐに物を出さないといけない仕事のシーンでもTHULEはすごい楽です。カメラマンとして物の出し入れをスムーズかつスピーディにできることはとても大事なポイントです。
あとはジッパーが開きやすい点も魅力ですね。今まで使ったカメラバッグはジッパーの引き手が壊れやすかった。THULEのバッグは先ほどのようにスピードが肝心な現場でも物の出し入れがスムーズですし、ハードに扱っても壊れないので安心です。

image
image

マサ:僕はムーブメントのコーチなので、仕事道具が本当に多いんです。入れる物も仕事の内容によって全然違うので大きめの容量が必要です。THULEのバッグは大きいけどコンパクト。荷物を詰めやすいし、パンパンになるくらいまで入れてもジッパーが閉まりやすい。コーチの仕事もやっているので、トレーニング道具以外にノートやペン、PCなどのデスクワーク用の道具も一緒に入れるのですが、豊富なコンパートメントのおかげでバッグの中がごちゃごちゃするストレスがない点もありがたいです。あとはダンベルを入れて持ち運ぶ時もあるのですが、THULEのショルダーストラップがとても頑丈なことと、カバンの形が変わらないので背負っていても違和感がない点も魅力です。重いものを入れても肩の負担が少ないので肩が凝ったりもしない。僕にとっては魅力的なポイントがたくさんあります。
アレックス:あとは夏に使うときにも背中の汗がすぐ乾くところが嬉しいですね。快適に使えます。
マサ:機能的・快適・お洒落の3拍子が揃っているのがTHULEですね。快適というところで言うと、バッグの中の通気性。トレーニングをするので、汗をかいたウェアを袋に入れてしまうことが多いのですが、どうしても汗の匂いが出てしまうんです。普通のバッグは中に汗の匂いが染み付いてしまうのですが、THULEは少し乾かすと汗の匂いがなくなるんです。運動する人にとっては嬉しいと思います。

世界から認められる夫婦に

お二人のそれぞれの目標と二人で叶えたい目標を教えてください

アレックス:もっと日本語を覚えて、日本のクライアントさんとコミュニケーションを取れるようになって、映像や写真のスキルを上達させたいと思っています。そして日本語のビジネス用語やメールで使う言葉をもっと勉強して、日本のドキュメンタリー制作もしたいです。コロナウイルスの感染拡大が落ち着いたらマサと一緒にギリシャのサントリーニに行って撮影もしたいです。
マサ:二人ともまだまだ若いし、まだまだできることがたくさんある。お互いの成長はもちろんなのですが、「鈴木家夫婦、めっちゃプロだな~」と世界中の人に知ってもらいたい。プロ意識が高いフリーランスの夫婦も珍しいかなと。個人的にはムーブメントもパルクールもニッチなカルチャーだけど2つの文化はとても素晴らしいし、僕は過去にデンマークにも住んでいたのですが、介護施設や学校教育の中にパルクールがありました。ムーブメントも、UFCのコナー・マクレガー選手が実施していることで有名で、プロ選手だったら普通にやっているようなものなんです。日本においてパルクールやムーブメントをやっている選手は全員僕が教えているのでもっと普通の文化になってくれたら嬉しいですね。さらに、そこらじゅうにパルクールの文化が広がったら最高ですね。

二人でやりたいことは二人で作った作品を世界に広げること。
将来的に子供ができたら、子供が誇れる親になりたいです。

image
image
  • 水筒:WOW Gear
  • 長袖シャツ:Zipangart
  • 吊り輪:Pellor
  • 液体チョーク:Boulder X
  • プラクティスボール:Fighting Monkey Rootlessroots
  • 携帯:Iphone 7
  • スナック:The POW BAR エネルギーバー
  • 手帳:nähe
  • ハードケース:nähe
  • ノートブック:LIFE
image
  • カメラ:Sony Alpha 6500
  • レンズ:SIGMA 30mm f1.4
  • レンズ:Sony 10-18mm f4
  • 可変NDフィルター:TIFFEN 52mm
  • ドローン:DJI Mavic Mini
  • ライト:Ulanzi VL-81
  • モニター:SmallHD Focus 5”
  • 携帯:Hua Wei Mate 20
  • スナック:The POW BAR エネルギーバー
PAGE TOP